詳細が決まり次第こちらに掲載いたします。
《ステイトメント》
秋の訪れを告げる10月、湯河原のENSO GALLERYにて、長原勲の個展「雷神探し」を開催いたします。この展覧会の始まりは5月のある日に遡ります。ENSO GALLERYで流れる川の音に耳を傾けていた時、この川の音が響く空間で日本古来の自然観を表現したいと強く感じました。
展示の中心となる「雷神探し」は、私が岡山のアトリエで長年にわたり描き続けてきた作品です。これは単なる模写や継承ではなく、私自身の解釈と加筆を重ね、新たな視点を追求した作品であり、もともとは展示することを目的とせず、ただ描くこと自体が目的でした。その源泉は、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」との出会いにあります。初めてこの屏風に出会った時、圧倒的な自然の力を感じました。地を揺るがす太鼓の響き、轟く雷鳴、唸る風 ― それらすべてが風神様と雷神様の姿を借りた自然そのものの様です。自然の美しさや心地よさだけでなく、予測不可能な変化、時に感じる恐怖、そして理不尽さまでも伝わってきます。
「雷神探し」展は、絶えず変化し続ける自然への興味と、作家の絵画表現への理解を深める試みです。この作品が湯河原の自然と共鳴したとき、皆様にとって新たな出会いとなれば幸いです(長原勲)