日本は世界でも有数の火山活動が活発な地域であり、全国には約30,000もの自然湧出する温泉(オンセン)が存在します。それらは温度、色、鉱物成分がそれぞれ異なり、多様な特徴を持っています。この温泉文化を日本の歴史と重ね合わせると、古代宗教、戦乱の時代、医学の発展、そして現代のポップカルチャーに至るまで、時代を超えて受け継がれ、国民のアイデンティティの重要な一部を形成してきました。
『裸の建築へ』は、10年以上にわたる日本各地の旅で撮影された写真、図面、コラージュ、ダイアグラムを組み合わせ、温泉の物語を建築的視点から探求する作品です。本書は「過去・現在・未来」の3つの章で構成され、入浴の精神的ルーツ、この伝統を支えてきた多様な建築、そして建築・自然・裸の身体が織りなす詩的な融合がもたらす持続的な影響を考察します。近年、訪問者の減少や民営化の進行、さらには世界的な危機が影響を及ぼす中で、温泉という公共空間を守り、未来へとつなげることの重要性はかつてないほど高まっています。
湯バル・ゾハ (Yuval Zohar) は国際的に活動する建築家・デザイナーであり、キャリアの大部分をアジアで過ごしてきました。現在は日本の温泉地・湯河原の田舎町に在住しています。ぜひEnsoにて、本書のプレゼンテーションとサイン会にご参加ください。
詳細はこちら: https://mailchi.mp/5216977f246b/towardsanudearchitecture